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リラックスロール開発ストーリー
繁成先生との出会い
リラックスロールの元となる補助具は、1983年に福祉用具デザイン研究者の繁成剛先生によって考案されました。
身体障害により姿勢保持が難しい子どもたちが、床上で前もたれ姿勢をとれるように作られたものです。
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2021年、身体障害のある息子が通うデイサービスで、繁成先生と出会いました。
筋緊張が強く、体に力が入りやすい息子にとって、リラックスして過ごせる時間はとても貴重でした。
繁成先生は、そんな息子や私たち家族に、さまざまな補助具のアドバイスをくださり、日々の暮らしを支えてくれました。
ふっと力が抜ける瞬間

中でも特に印象に残っているのが、この補助具でした。
体に意図せず力が入ってしまい、反り返りが強い息子が、この補助具にもたれて座ると、「ふっ」と体の力が抜けるんです。
そのまま心地よさそうに眠ってしまうこともありました。
”ぽんと置いて、体を預けるだけ。”
シンプルなのにとても機能的で、我が家にとって、毎日の暮らしに欠かせないアイテムになりました。
「多くの人に届けたい」という想い
一方で、こうした姿勢保持の道具は、すでに生産が終了していたり、高額で手に入りにくい状況がありました。
中には、自作している方もいると知り、「必要としている人が、他にもいるのではないか」「もっと気軽に試せる形で届けられないか」と考えるようになりました。
その想いを繁成先生に相談したことから、製品化に向けた取り組みが始まりました。
余白を残す設計
リラックスロールの製品化にあたり、実際にさまざまなお子さまに試していただきながら、形やサイズ、使い方の検証を重ねてきました。
ご家族や担当のセラピストからは、「こんなにリラックスできると思わなかった」「いつもより手がよく良く動いている」など、驚きの声をいただくこともあり、前もたれ姿勢の可能性を実感することができました。
身体の使い方や、心地よいと感じる姿勢は一人ひとり異なります。
テストを重ねる中で、
・お子さまによって最適な設定が異なること
・その日の体調やコンディションによって微調整が必要なこと
・リラックスするため、遊ぶためなど、過ごし方によっても適した使い方が変わること
など、「調整できる余地」が大切だという気づきがありました。
そのためリラックスロールは、あえて細かく形を決めすぎない設計を大切にしています。
前もたれ姿勢でリラックスしたり、頭を持ち上げて上半身を起こそうとしたり。
日々の暮らしの中で、その時々の身体や過ごし方に合わせながら、安心して使っていただけるように。
余白をもたせた設計にすることで、”成長に合わせて長く使えるように”という点も考慮しています。
強化段ボールという選択
リラックスロールの製品化にあたり、大切にしているのが、「気軽に使えること」です。
姿勢を支える道具でありながら、インテリアのような感覚で取り入れられること。
必要な時にさっと持ち運び、暮らしの中で自然に使えることを目指していました。
それを実現するために力を貸してくださったのが、段ボールなどを扱う総合包装企業の”コムパックシステム株式会社”です。
リラックスロールの本体には、三層強化段ボールを採用しています。
軽量で持ち運びしやすい一方で、高い耐久性を備えているのが特長です。
また、リラックスロールは型データに沿って一枚ずつカットしているため、細かな曲線やラインをミリ単位で表現することができます。
ユーザーテストを重ねながら、機能性とデザイン性の両立を目指し、形状の検証を何度も繰り返しました。
異なる分野の技術や視点を掛け合わせることで、従来の福祉用具とは少し異なる、新しい選択肢としてリラックスロールは生まれました。
暮らしになじむカバーを目指して
リラックスロールのカバーには、Studio Muiのお食事エプロンにも使用している生地を採用しています。
素材選定とプリントデザインを担当しているのは、一般社団法人TEXTOILEです。
日々の暮らしの中で使うものだからこそ、汚れた時にさっと拭ける、お手入れのしやすさを大切にしています。
そのため、カバーには、撥水性があり汚れが落としやすい素材を使用しています。
リラックスロールは、訓練のためだけの道具ではなく、日常の中で自然に使える存在でありたいと考えています。
部屋に置いた時にも気持ちが明るくなるように。
お子さまだけでなく、家族の暮らしにもなじむことを大切にしながらデザインしました。
姿勢を支える、その先へ
子どもたちは、日々の暮らしの中で、さまざまな姿勢を経験しながら身体の使い方を育んでいきます。
「正しい姿勢」を保つことだけでなく、安心してリラックスできること。
遊びを通じて、人との関わりや本人の世界が広がっていくこと。
リラックスロールは、そんな日常の小さな瞬間を支える存在でありたいと考えています。
お子さまにとっても、ご家族にとっても、少しでも穏やかで心地よい時間が増えていくことを願っています。
